そのときの彼ら

「澤村さんや」
「なんだよ」
「さっきのマネージャーとお宅のリベロ付き合ってんの?」
「あー……付き合ってはない、と思う」
「はぁ!?」

あの距離感で!?おかしくね!?烏野おかしくね!?などと囃し立てる黒尾に、烏野でひとまとめにすんじゃないよ、って一発お見舞いしてから澤村は二人の背中を見る。後ろで黒尾が悶絶している姿は見なかったこととする。
二人は一年生のときはよく並んで歩いていた。小ぢんまりとした光景に菅原たちと一緒になって和んだのはいい思い出だ。本人たちにはもちろん言えないけれど。
久しぶりに見慣れた光景を見れたことが嬉しかった。やっぱり二人は揃ってないとしっくり来ない。

「いいんだよ、あいつらはあれで」

いつか惚れた腫れたで揉める日が来るかもしれないけれど、今を幸せだと感じている彼らに水を差すような真似はしたくない。ようやく元に戻ったんだから。気付いたら小さく呟いていた。

「まぁ、二人にはずっと一緒に居て欲しいけどな」

黒尾に拾われると思ってなかったので、適当に誤魔化す。

「?何だって」
「何でもねーよ。俺らの荷物はどこに置いたらいいんだ?」
「ああ、こっちだよ」

願わくは、彼らに幸せが多く訪れますように。

(前サイトの拍手お礼でした)